髪のくせは乾燥で変わる…ノンシリコンシャンプーを勧める理由

先日、お店によくいらしている40代の女性のお客様のお子さんが初来店しました。お母様(その40代 女性のお客様)は、いつも定期的に来店し、カットの他カラーやパーマでおしゃれを楽しむ方で、お仕事もフルタイムでバリバリされているとても元気なお母様です。

お仕事柄、人と会うことが多いとのことでヘアスタイルやファッションにも気を配り、とてもオシャレ。そんなお母様に以前からお子さんのヘアスタイルについて相談を受けていました。

お母様には膨らむようなクセがあり、パーマやトリートメントなどで毎回コントロールしていましたが、その小学生のお嬢さんにもやはりクセがあり、とても扱いずらいということでした。膨らむだけではなく、部分的に縮れのようなクセもあり、全体的にうねりもあるのでお母様よりずっと膨らみやすい髪質です。

スポーツを熱心にされている事から髪も伸ばしたくないそうで、結ばずに何とか形になるヘアスタイルを求めていました。お話は以前から伺っていましたが来店されたのは初めての事。どんな状態かな?と髪を見せてもらうとなかなかのくせ毛で、これは大変そう!というのが正直な感想でした。

クセがあってもまとまりやすいボブ

お手入れが簡単で、結ばなくてもかわいいスタイル。ストレートパーマをかければ簡単に悩みは解決しますが、数カ月毎に小学生の娘にストレートパーマをする事への抵抗があるとおっしゃっていました。恐らく学校ではそのような施術は校則で禁止でしょうし、ストレートパーマをかけた事を周りのお友達に知られたくないというお嬢さんの意向もあったようです。

金額的にもストレートパーマはお安くはない料金設定でしたので、カットだけ、もしくはせめてトリートメント程度でもう少し扱いやすいヘアスタイルになるといいんだけれど…とのご相談内容です。

ヘアスタイルはボブベースを希望されています。幸いボブというスタイルは、全体にあまりレイヤー(段差)が入っていないスタイルなので髪の重みによりボリュームを抑えやすい事や、スタイリングが 特にいらず簡単というメリットもあります。

しかしそれもクセの程度によるのでカットだけで希望を叶えられない場合もあります。お嬢さんの場合は幸い、髪の表面にクセは少なく、ツヤもある方だったのでクセの強い部分を丁寧に取り除く事で、きれいなボブに仕上がりました。

くせ毛には後天的な原因もある

お嬢さんとカット中お話をしていて気づいた事がありました。それはシャンプーです。シャンプーの成分が髪と合っていない、その上シャンプーで汚れが落ちきっていないのでは、と思ったのです。

お母様から以前伺っていたお話だと、幼いころはもっと髪がきれいだったそうです。小学校にあがり、一人でお風呂に入るようになり、屋外での部活動も活発になったころから髪質が変わったようです。

それを聞いて、紫外線の影響、シャンプーで汚れが取りきれていない、もしくはすすぎ不足による毛穴のつまり、などが原因で起こる後天的なくせ毛の可能性に思い当たりました。

この点を尋ねると、「ちょっと思い当たる」という事でした。疲れて帰ってくるのでシャンプーも適当にしていたそうです。よく泡立て、よくすすぐという、基本的で大切な事をあらためてお伝えしました。そして、シャンプーを変えてみることを勧めました。

くせ毛対策にアミノ酸系のノンシリコンシャンプーをすすめる

お母様はオシャレにとても敏感な方なので、お嬢さんのヘアスタイルを気にし、ヘアクリームなどをつけてあげていたそうです。くせ毛の方は大体がとても乾燥毛なので、髪に油分を与えるのはとても効果的です。しかし、新陳代謝が活発なお年頃だからしっかり汚れを落とせるシャンプーが良いだろうと、量販されている洗浄力の強いシャンプーを使っていたようです。

確かに毛穴のつまりはクセを強くしますが、髪自体の潤いも奪ってしまいかねません。洗浄力の強いシャンプーでさっと洗うより、適度な洗浄力を持つシャンプーで丁寧に汚れを取る方が有効なことが多いです。そこで、アミノ酸系のノンシリコンシャンプーをお勧めしました。

ノンシリコンシャンプーの上手な選び方

ノンシリコンシャンプーはその名の通りシャンプーの成分にシリコンが含有されていないシャンプーを指します。アミノ酸系のシャンプーというのは、シャンプーに含まれる界面活性剤(洗浄成分、泡立ち成分)がアミノ酸で作られているシャンプーを指します。

なかなか成分の名前を見分けるのが難しいと感じる方も多いと思いますが、ポイントを押さえれば簡単に自分で判断できる ようになります。

まず、成分表を見たときに一番最初に表記されているものは「水」ですが、2番目~5 番目くらいまで表記されている成分に注目します。○○硫酸と書かれているものは油分を落としすぎるため避けましょう。

選びたい成分は「ココイル○○、ラウロイル○○」です。この2つが「アミノ酸系シャンプー」の限りではありませんが、非常によく使われている成分です。

そしてアミノ酸成分以外に、天然由来の成分が含まれるシャンプーは大抵、洗浄力がマイルドで毛髪や頭皮の油分を落とし切らない成分配合になっているものが多いです。

くせ毛の目立ちやすさとシャンプーの関係

くせ毛とは、頭皮の毛根の形による影響なので治すのは難しいのですが、髪が本来持っている水分量が不足すると髪が持つ重みがなくなりクセが出やすくなります。

ですから洗浄力の強すぎるシャンプーはクセを悪化させる可能性があります。シャンプーで汚れを落とし、さらに油分を忘れずに補給すると良いでしょう。 シャンプー後につけるトリートメントは軽めにし、洗い流さないタイプのトリートメント(アウトバストリートメント)をしっかりつけることをお勧めしました。

後日お母様にその後どうなったかお話しをうかがいました。私のアドバイスを素直に受け入れてくださったようで、すぐにシャンプーとアウトバストリートメントを変えたそうです。そうしたらクセが驚くほど扱いやすくなり、お嬢さんも大変喜ばれていたそうです。

カットやパーマなどの施術は数カ月に1度ですが、シャンプーは毎日のこと。成分にこだわり、合うものを見つければこんなにも扱いやすくなると、再確認できたお客様のエピソードでした。