フケやかゆみの原因は洗い過ぎ?頭皮にやさしいシャンプーの方法

20代から来店されるようになったこのお客さまは、2年ほど来店されなかった時期がありました。その方は事務職でしたが、ダブルワークで音楽業界でのお仕事もされていました。

夢に向かって努力されており、来店のたびに楽しいお話を聞かせていただいていたのでいつもいらっしゃるのが楽しみでした。その方のお友達から、そのお客さまが引っ越しをしたことも伺っていたので、「家から遠くなったからかな? お忙しいのかな?」と再来店をお待ちしていましたが、なかなかいらっしゃいません。

そして2年ほど経ったある日、その方からご予約の連絡が入りワクワクしながらご来店をお待ちしていました。

頭皮にかゆみがあるときの白髪染め

久々の再開に話が弾みましたが、いらっしゃらなかった2年間、頭皮のかゆみやフケに悩まされていたことが分かりました。ダブルワークでのストレスやご結婚された生活の変化により強いストレスを感じ、そうした症状が出始めたそうです。

もともとカラーをされていましたが、頭皮がかゆくなるためカラーを断念したそうです。今までは髪色を少し明るめにされていましたが、来店された時は黒髪の地毛で少し白髪がまじっていることに気づきました。

白髪を目立たなくしたいというのもご来店の動機だったそうです。「頭皮トラブルが改善されていないけど増えてきた白髪を何とかカバーしたい。でもまたかゆくなるかもしれないので頭皮に刺激のない方法で染められたらうれしい」とのご要望をいただきました。そこで、薬液を地肌に直接塗布せず白髪を染めることにしました。

フケの出ないシャンプーが見つからない

白髪も綺麗に染まり、喜んでお帰りになられました。年齢も重ね、白髪も出てきたけど体調の変化も感じ、肌のトラブルが増えてきたのでシャンプーや基礎化粧品なども合うもの、合わないものがはっきりしてきたそうです。

合わないものはかゆみが出てその後フケがどっと出るそうで、その都度違うものを試していました。化粧品は合うものを探せたけどシャンプーは未だ決まったものがない状態での来店だったようです。

もともと皮膚トラブルがなく、安価な量販系シャンプーも問題なく使えていたけど今はフケ防止の薬用シャンプーや皮膚科で紹介されたシャンプー、洗い上がりが優しいと話題のシャンプーなど色々試したそうです。アトピー性皮膚炎の方用のシャンプーを使ってもフケが止まらず困っておられました。

シャンプーのしすぎもフケの原因に

そのお客さまはアトピー性皮膚炎の様子もなく、頭皮に炎症や赤みが部分的に出るなど目だった症状は出ていません。フケが出るということは頭皮が乾燥気味なのだと感じました。

その時ピンときたのが、そのお客さまは20代の頃お顔にニキビなどができやすく、ご自分でも「脂性かな?」 と気にされてたことです。当時、頭皮の匂いも気になるとおっしゃっておられ、男性用のメントー ル配合のさっぱりとするシャンプーを愛用している時期があったのです。

ここ最近使用されているシャンプーを聞いてみましたが、アミノ酸の界面活性剤が配合されている、洗い上がりの優しいシャンプーを使っているとのことで特に問題はありませんでした。しかしその使い方に少々問題があったのです。

フケが出るのを気にして、日によっては朝のシャワー時と夜のお風呂タイムでもシャンプーをすることがあるとおっしゃっていました。

夏場は1日に2度シャンプーすることも少なくない

これが原因なのでは?と思いシャンプーの頻度を少し減らすようにお伝えました。

お湯だけで洗う日もまぜる

お客さまのヘアスタイルはストレートでしたので、日頃あまり整髪料をつけず過ごすようです。20代の頃ほどニキビなどの肌トラブルはないということだったのでシャンプーを使わず、お湯で流すだけの日も増やしてみることをおすすめしました。

毎日ワックスやハードスプレーを使う方は頭皮や髪に油分が付いているのでシャンプーでしっかり落とすことをおすすめしますが、彼女の場合明らかに洗いすぎており、必要な油分まで落ちてしまっていました。

整髪料をつけていない場合、よっぽどの脂性でない限り1日で頭皮がベタベタになる方は少なく、その程度でしたらお湯で丁寧に頭皮を洗い流すだけで汚れや油分を落とすことができます。 シャンプーやトリートメントの香りも意外と残っていたりするので、滝のように汗をかかない限りお湯だけで汗の匂いも取れるのです。

そして間違えやすいのが「シャンプーの仕方」です。汚れや匂いが気になるのでシャンプーをたくさんつけ、ゴシゴシとこすり、ゆすぎの時間が短くシャンプーの成分が落ちきっていない、そんな洗い方には要注意です。

頭皮にシャンプーが残っていると乾燥を引き起こしフケが出やすくなります。さらに悪化すると赤みや腫れなどの症状が出ることも。シャンプーだけでなく、トリートメントも頭皮に残ると毛穴を塞ぎ、脱毛などの症状につながることもあります。

髪が短く、もつれや傷みが特に気にならない方は女性でもトリートメントを使わなくても良い場合もあります。ただ、長さや傷みがある方はやはりトリートメントは必要なので、つける際には毛先だけにつけるよう注意しましょう。

そのお客さまもシャンプーの泡立ての方が重要だと思っていたようです。シャンプーを使いすぎないこと、よくすすぐ事を実践されるようになってから頭皮のトラブルが減り、以前のようにカラーやパーマでヘアスタイルを楽しめるようになったと大変喜ばれていました。

理想的なシャンプーの頻度は人によって異なります。毎日洗うという固定概念を一度捨ててみるのもよいかもしれませんね。